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おすすめ企業インタビュー|三菱重工グループ

三菱重工グループは、SDGsへの貢献をミッションに掲げ、障がい者雇用にも積極的に取り組んでいます。今回は、同グループの担当者にそれぞれの部署での障がい者雇用に対する基本方針や具体的なサポート体制、スキルアップの取り組みなどについてお話をお伺いしました。

HR戦略部 人材開発グループ 採用チーム 大滝 惇史

障がい者雇用に対する貴社の基本方針について教えていただけますか?
三菱重工グループでは「社会課題の解決を通じて、企業価値を向上させ、中長期的に成長していく」ためには、「ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン(DE&I)(※注1)」 の推進が不可欠であると考えています。この考え方を社員にきちんと伝えるため、当社では「グローバル行動基準」「グループ人権方針」「DE&Iポリシー」を制定・公開しており、その中でもDE&Iの必要性や重要性を示しています。また、障がい者雇用については、スペイン語で「一緒に」を意味する「マノ・ア・マノ(mano a mano)」というポリシーを掲げて活動してきました。これは、障がいの有無に関わらず、”お互いの能力や特性を認めながら働こう”という姿勢を示しています。当社は、障がい者雇用の取り組みを通じて、長年にわたりインクルージョンを推進してきました。

(※注1)多様性(ダイバーシティ)、エクイティ(公平性)、インクルージョン(包括性)を意味する言葉です。具体的には、職場で働く人たちの性別、障がい、価値観など、さまざまな特性を尊重し、受け入れて、公平に活躍できる環境を整えようという考え方のことを指します。

障がいをお持ちの方への支援制度やサポートについて教えてください。
かつては、職場への配属のみを念頭に置いて採用活動を行っていました。そのため、障がい特性への理解や、障がい特性を踏まえた適切な業務のアサインがうまくいかないケースもありました。そのような背景を踏まえて、2018年からは職場への配属に加え、地域や工場ごとに「集合配置職場」 を設け、より多様なニーズに応えた採用と配属ができるような体制を整えています。実績としてはまだ少数ではありますが、「集合配置職場」で一定の経験を積み、高いレベルで担当する業務をできるようになった方が、一般職場へ異動するというケースも出てきています。

また、2024年5月に公表した中期経営計画の中では、「ライフステージに合わせた柔軟な働き方の推進」や「社員の新たな挑戦支援」などを通じて、事業計画の達成をめざす方針を掲げました。 これらの取り組みの中で、障がいをお持ちの方には、障がい特性を理由に一時的に勤務から離れることができる制度を新たに導入しており、通院やリハビリなど、障がいの状況に合わせた多様な働き方が実現しやすくなっています。

具体的な障がい者の活躍事例を教えてください。
私が近くで見てきた最近の良好な事例としては、2024年4月に集合配置職場に入社した社員が思い浮かびます。本人の希望や能力を踏まえ、人事部門に異動した後、10月からは正社員として活躍しています。集合配置職場で働いていた時から、社内外の関係者との打ち合わせにも参加し、同僚ともコミュニケーションを取りながら、何事にも前向きに取り組む姿が印象的でした。異動先の職場では柔軟な働き方が進んでいるため、本人の体調や業務の都合に応じて、在宅勤務やフレックス制度を利用しながら活躍しています。

会社として今後の課題はなんですか?
障がいに対して必要な配慮を講じることは当然のことですが、その上で当社としては必要以上に区別や配慮をしすぎないことも重要だと考えています。また、双方向のコミュニケーションによってお互いの理解を深めることも大切です。
採用することがゴールではありませんので、今後は、このような意識を配属先の職場にもしっかりと定着させていく必要があると思います。

また、今後もさまざまな障がい特性をお持ちの方をお迎えする中で、既存の設備や制度ではカバーしきれない課題が出てくる可能性があります。そのような課題に真摯に向き合い、解決を図ることも重要だと考えています。

HRマネジメント部
長崎HRビジネスパートナーグループ 中川 美香

長崎の業務チームについて教えてください。
私たち「業務チーム」は、障がいをお持ちの方を集中的に雇用する部署として、特例子会社のような役割を果たしています。他拠点の業務センターでは、現業系の軽作業や清掃作業を中心に行っていますが、長崎の業務チームは全拠点の事務補助業務を担っています。現在、約50名が在籍しており、5つの班に分かれて、郵便仕分けや資料作成、データ入力、プログラミングなどのさまざまな業務を遂行しております。

障がい者のサポートはどのようなことを行っていますか?
合理的配慮として、障がい特性に応じた業務説明やサポートを行っています。例えば、聴覚障害をお持ちの方には手話や文字起こしソフトを使用、精神障害をお持ちの方には、図式化したマニュアルで説明しています。また、発達障害の方で周囲が気になるという方には、パーテーションを設置したり、イヤーマフの着用を許可したりしています。チーム内には、心理相談員、産業カウンセラー、企業在籍型ジョブコーチが在籍しているため、業務面や体調面などの悩みを相談しやすい環境です。

スキルアップに関する制度はありますか?
スキル向上支援として、「ステップアップシート」という1年間の目標設定の仕組みを設けています。具体的には、年度初めに定めた目標に対し、「どのように進めていくのか」について、上司とリーダーですり合わせ面談を実施しています。また、目標の達成状況についても再度面談を行い、来年度の給与に反映させるという仕組みを採用しています。
業務チームでは、働くメンバー一人ひとりに合わせた支援を心がけており、安定した出社が難しい方には、まず出社することを目標にしてもらっています。安定した出社ができるようになったら、次は毎日の定例業務ができるようになること。それができるようになったら、今度は業務改善に取り組む。そして、次のステップは依頼元部門への業務改善提案ができるように進んでいく、このように、一歩ずつステップアップしていく形を取っています。

もし、ステップアップされた方の中で「一般職場で働きたい」という方がいらっしゃれば異動することも可能です。一般職場に慣れるまでは、業務チームから企業在籍型ジョブコーチが出張して支援を行っています。

障がい者採用における求める人物像について教えてください。
まず、1点目は「安定して働けること」です。具体的には、自分で体調管理ができる、精神面でのセルフコントロールができることが求められます。2点目は「素直さ」です。他人の意見を聞き入れることができるか、環境の変化に対応することができるかということが重要になります。そして、3点目が「自己理解ができている」ということです。つまり、障がいをきちんと受け入れていて、自分にできることとできないことを把握できているかという点を重視しています。

これまでに印象的なエピソードはありますか?
三菱重工では「社員意識調査」というものがあり、以前、業務チームのエンゲージメントが課題となっていた時期がありました。そこで私たち業務チームはプロジェクトとして、メンバーを人選し、エンゲージメント向上に取り組むことになりました。その結果、1年間でエンゲージメントが70%から87%まで引き上げることができ、現在では、90%越えを目指して活動を継続しています。

この成果は、プロジェクトメンバーからの一方通行の取り組みではなく、プロジェクトに参加していないメンバーにも当事者意識を持ってもらい、巻き込むことができたからだと考えています。その過程では、リーダー向けリーダーシップ研修や、ファシリテーター研修、メンバー向けコミュニケーション研修に加えて、チーム内グループディスカッションの風土など、これまで学んできたことが大いに役立ちました。メンバーの自主的な取り組みに加えて、会社側のサポートが相乗効果を生み出し、結果につながったと感じています。

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