2024年03月31日
パニック障害の方が仕事がつらいときの対処法|仕事復帰するときのポイントや利用できる支援
目次
- パニック障害とは
- パニック障害の方が仕事で工夫していること
- パニック障害で仕事がどうしても辛い時の対処法
- パニック障害の方が就職活動で気をつけたいポイント
- パニック障害の方が仕事復帰時に利用できる就労サービス
- まとめ
パニック障害は、突然めまいや動悸、手足の震えなどのパニック発作が起きる精神障害の一つです。パニック発作があることや、その不安から仕事へも大きな影響が出る方もいます。
パニック障害の方が安定して働くには、専門医で治療を受けることや、自己対処法を身につけることとともに、障がいの特性や自分の得意不得意を把握して行くことが大事になります。
ここではパニック障害の概要や、症状の種類、自己対処法、働きやすい職場探しのポイント、活用できる支援について紹介していきます。
パニック障害とは
パニック障害とは、予期しない突然の強い恐怖や不快が高まり「動悸」「めまい」「手足の震え」「息切れ」「発汗」などの「パニック発作」を繰り返し起こすために、生活や仕事に支障が出てくる疾患のことです。
パニック発作は本人にとって「死んでしまうのではないか」と思うほど強く苦しいものですが、実際はパニック発作で死ぬことはなく、発作は数分以内でピークに達し、通常は数分~数十分で治まるといわれています。
また、パニック発作を繰り返すうちに「またパニック発作を起こすのでは」という予期不安を感じるようになったり、予期不安から、自分が発作を起こした場所に恐怖感(広場恐怖)をもつようになったりします。
パニック障害の要因
パニック障害の原因は現在のところ明確にはわかっていませんが、疲労やストレスの他に脳内の不安に関する神経系の機能が影響しているといわれています。
動悸やめまいなどの症状が出ますが、身体的な疾患ではなく精神障害に分類されていて、治療も薬物療法やカウンセリングを中心に行っていきます。
精神障害に分類されるため、障害者手帳の中の「精神障害者保健福祉手帳」の対象となります。障害者手帳を取得することで、税金の控除や福祉サービスの利用といった様々なサポートを受けることができるなど、取得することで経済面などの助けとなる制度です。
パニック障害の主な症状
パニック障害の症状には、次の3つがありますので、紹介していきます。
【パニック障害の主な症状】
- パニック発作:突然不安から「激しい動機」「胸の苦しさ」「発汗」など身体に症状が出る
- 予期不安:「またパニック発作が起きるのではないか」という不安が高まる
- 広場恐怖:電車や繁華街などパニック発作が起きそうな場所や状況に不安が強くなる
パニック発作
パニック発作はパニック障害の主症状で、突然「動悸」「めまい」などの身体症状が現れることをいいます。発作は数分でピークを迎えて、その後数十分で治まるといわれています。
パニック発作で起こる症状としては、以下があります。
- 悪寒
- 発汗
- 吐き気
- 手足の震え
- 息切れ
- 窒息感
- 非現実感
- 強い恐怖感
パニック発作で死ぬことはないといわれていますが、本人にとってはとても辛い状態で、発作を繰返すうちに予期不安や広場恐怖といった症状が現れるようになります。
予期不安・広場恐怖
パニック発作を繰返すうちに、発作のない時も「また発作が起きるのではないか」「次はもっと激しいのではないか」といった不安を感じることがあります。それが予期不安と呼ばれる症状です。
また、「パニック発作が起こった時に逃げるのが難しい」状況に近づくと不安感が高まる、広場恐怖と呼ばれる症状が現れる方もいます。
広場といっても「広い場所」という意味ではなく、エレベーターや電車、人が集まる繁華街など様々な場面や状況に対して広場恐怖が起こりえます。
予期不安や広場恐怖が強くなると、外出が難しくなるなど仕事や日常生活にも大きな影響が出てくるケースがあります。
パニック障害の方が仕事で工夫していること
ここではパニック障害の方が仕事をするうえで、工夫できることを4つ紹介していきます。
【パニック障害の方が仕事をするうえで工夫していること】
- 通勤経路や時間帯を変える
- 職場の人にパニック発作のことを相談する
- 自分なりのリラックス方法や対処法を見つける
- 生活リズムを整える
通勤経路や時間帯を変える
パニック障害の方は、電車内などの閉鎖空間や人が密集している状況に不安を感じる方が多くいます。そのため、通勤に工夫をすることが、不安を感じる機会を減少させることにつながります。
在宅勤務に切り替えることが可能であれば、上司や人事に相談してみるといいでしょう。ただ、業種によっては難しい場合もあるでしょう。
そこで、長い時間電車に乗るのが難しい場合は「各駅停車に乗る」ことや、満員電車が苦手な場合は「通勤ラッシュを避けた時間に乗る」ことで不安を減らしているケースがあります。
通勤時間を遅らせることが難しい場合に「1時間早めに家を出て空いている電車に乗り、会社近くで朝食を食べる」ことで調整するといった方法を取るケースもあります。
職場の人にパニック発作のことを相談する
パニック発作は突然起きるために、事前に発作が起きたときの対応を同僚伝えておくことも大事です。
具体的にはパニック発作が起きやすい状況や発作が起きた時にしてほしいこと、何分くらいで治まるかということを伝える例が多いようです。
エレベーターや狭い会議室など仕事で不安が高まる場所や状況を伝えておくことで、業務を調整することができたり、発作が起こったときの対応として「大丈夫と声をかける」「背中をさする」などを伝えておくことで、いざ起こったとしても落ち着いて対応できたりと、本人も職場の方も安心感を持って働くことにつながります。
自分なりのリラックス方法や対処法を見つける
職場や普段の生活でできるリラックス方法やストレス対処法を見つけることも大事です。こちらもいくつか例を紹介しますので、気になったものは試してみるといいでしょう。
【職場でできるリラックス方法・ストレス対処法】
- ストレッチや深呼吸をする
- 休憩時間に気持ちの落ち着く音楽を聴く
- ランチは外に出てリフレッシュする
- 好きなアロマをハンカチに染み込ませ匂いをかぐ
- リラックス効果のあるハーブティーを飲む
- ストレスを書き出す
【日常生活でできるリラックス法・ストレス対処法】
- ヨガやランニングなどの適度な運動をする
- カラオケで思いっきり歌う
- 大きな公園などで自然や動物に触れる
- ぬるめのお湯にゆっくりお風呂につかる
- 仕事と関係ない趣味を作る
- 寝る前にスマホなどデジタル機器を触らないようにする
人によって効果は変わりますので、気になることがあったら試してみて、自分に合うものがあったら続けてみてください。
生活リズムを整える
日常生活が乱れているとストレスがたまりやすく、不安も感じやすくなってしまいます。そのため、生活リズムを整えることも安定して働くための大事な要素となります。
生活リズムを整えるために、以下のポイントがあります。
- 睡眠・起床の時間を一定にする
- 朝起きたら太陽の光を浴びる
- 食事は三食摂る
- 適度な運動をする
- 入浴は就寝の2~3時間前にする
- 寝る前のアルコールやカフェインの摂取は控える
これらのポイントを抑えることで、睡眠の質も向上し心身の調子も整っていくといわれています。
仕事をしているとすべてをクリアするのは難しいと思いますが、できることから意識していくといいでしょう。
パニック障害で仕事がどうしても辛い時の対処法
自身で工夫しても仕事で辛い状況になることがあるかもしれません、ここではそういった時にできる対処法を3つ紹介します。
【パニック障害で仕事が辛い時はどうする?】
- 治療と両立する
- 休職制度を利用する
- 退職して治療に専念する
治療と仕事を両立する
パニック障害は治療によって症状を改善していくことが大事になります。しかし、仕事をしながらの治療に難しさを感じている方もいると思います。
そういったときは、職場に相談して通院の配慮を得るなどして、仕事と治療の両立を目指していきましょう。
また、パニック障害では身体症状が前景に現れますが、精神疾患です。現在通院されていない方は、精神科や心療内科、メンタルクリニックの受診をご検討ください。
まずは職場の上司や人事担当、相談窓口などにパニック障害で治療中であることを伝えるようにしましょう。
そのうえで通院日に有給休暇を取得することや、主治医から残業などの勤務時間、業務内容についての指示があった場合はその内容を職場に伝えて、両立できるように調整をしていきます。
ただ、主治医からの指示をすべての調整することが難しいケースもあると思います。無理をするとパニック障害の症状が強くなることも考えられますので、辛い時は休職などの制度を活用することも検討していくといいでしょう。
休職制度を利用する
治療と両立が難しい場合などは、休職をすることも方法の一つです。休職をすることで、一度仕事から離れて落ち着いてパニック障害の治療を行うこともできます。
休職制度の有無やその期間は会社によって異なります、また医師の診断書が必要な場合があるため、休職を検討される方は事前に会社の人事部や主治医に確認をするようにしましょう。
また、休職中の経済的なサポートとして「傷病手当金」があります。傷病手当金とは、基本的にそれまでの平均給与の3分の2程度の支給を受けることができる制度です。
こちらも会社の人事部や主治医に相談をしてみてください。
退職して治療に専念する
休職期間を過ぎても症状が改善しなかったり、転職を考えている場合は退職をするという選択肢もあります。
退職をして治療を専念するとともに、次の就職先で安定して働いていくために、無理せず働ける職場環境の整理も行っていくといいでしょう。
なお、退職後も期間が残っていれば引き続き傷病手当金を受給することも可能です。他にも経済的な支援制度がありますので、退職後のお金が気になる方は、自治体の障害福祉窓口へ相談をしてみるようにしましょう。
パニック障害の方が就職活動で気をつけたいポイント
ここからはパニック障害の方が就職活動するうえで、安定して勤めることができそうな会社を見つけるために、気をつけたいポイントを3つ紹介します。
【パニック障害の方が就職活動で気をつけたいポイント】
- パニック障害の方が続けやすい職場環境を知る
- 障がいへの理解・柔軟さがあるか
- 困った時に相談できる窓口が設置されているか
パニック障害の方が続けやすい職場環境を知る
パニック障害の方が就職活動をするには、まずは自分が続けやすい職場環境を把握しておくことが大事です。
基本的には不安や緊張を感じる場面を知っておき、そういった機会が少ない会社を選んでいくといいでしょう。
例えばパニック障害の方が不安を感じやすい場面として、通勤や出張で電車や飛行機に乗る機会が多い業務が挙げられます。
その傾向を逆に考えると、在宅勤務が整備していたり、オフィス内で業務が完結したりする会社だと不安を感じる機会も減るといえるでしょう。
以下にパニック障害の方が比較的続けやすい職場環境の例を挙げますので、参考にしてみてください。
パニック障害の方が続けやすい職場環境の例
- 自分のペースで進めやすい職場
- 在宅勤務など働き方が柔軟な職場
- マニュアルがしっかりしている職場
業務内容の変化が少なく、納期が厳しくないなど自分のペースで進めることができる業務が多いと、突発事項や残業が少ないため心身の負担が少なくなる傾向があります。
また、在宅勤務やフレックスタイム制の職場では満員電車や人混みを避けることができたり、周囲の音や動きなどに影響されることも少ないため、落ち着いて過ごすことにもつながります。
他にも、業務のマニュアルや決め事がしっかりしていると、「これでいいのだろうか?」と迷うことも減り、不安を感じることも少なくなるでしょう。
障がいへの理解・柔軟さがあるか
障がいへの理解や業務などの調整しやすい柔軟さがあることも、就職先を選ぶポイントといえます。
元々勤務時間や業務が一定でなくても、パニック障害のことを伝えたうえで業務の進め方や出勤時間などを柔軟に対応してくれる職場であれば、就職後に困ったことがあっても調整しながら働きやすい環境を作っていくことも可能です。
このように調整しながら働いていくためには、障がい者雇用枠で働くという方法もあります。
障がい者雇用枠で働くことも検討する
障がい者雇用とは、一定以上の従業員がいる企業などで、障がいのある方を雇用することを義務付けた制度です。
現在では40人以上の従業員に1人の割合で障がいのある方を雇うことが定められています。
障がい者雇用では事前に障がいの特性や本人と得意不得意、不安やパニックになりやすい状況などを伝えたうえで働くことができるため、比較的働きやすい環境が整っているといえます。
障がい者雇用枠で働くためには、冒頭にお伝えした障害者手帳を所持していることが条件となりますので、申請を考えている方は主治医や自治体の障害福祉窓口へご相談ください。
困った時に相談できる窓口が設置されているか
困った時に相談できる窓口が設置されている職場で働くことも、就職先を選ぶためのポイントの一つです。
社内でメンタルヘルスについての相談ができる窓口があれば、何かあったときも対応をしてもらいやすくなるとともに、「ここに相談すればいい」ということ自体が安心感にもつながります。
また、従業員が50人以上いる職場(事業場)には、健康管理に携わる「産業医」が選任される決まりとなっていて、パニック障害などメンタルヘルスに関する相談も行うことが可能です。
パニック障害の方が仕事復帰時に利用できる就労サービス
ここでは、パニック障害の方が休職から仕事に復帰する場合や、新しく就職活動をするうえで活用できる就労サービスをいくつか紹介していきます。
自身で特性の整理などを行っていると、不安を感じることがあると思います。そういったときは、支援スタッフと一緒に整理していくこともご検討ください。
【パニック障害の方が活用できる就労サービス】
- 就労移行支援事業所
- 地域障害者職業センター
- 障害者就業・生活支援センター
- ハローワーク
- 転職エージェント
就労移行支援事業所
就労移行支援事業所とは、65歳未満の障がいのある方へ就職のための訓練や働いた後の定着支援などを提供する支援機関です。
株式会社や社会福祉法人、NPO法人などが運営しており、令和3年の調査時点で全国に3,353か所あります。
就労移行支援事業所は基本的に求人紹介ではなく、訓練や面談を通して働き続けるスキルを獲得していく場所です。
就労移行支援事業所で受けられる支援内容
就労移行支援事業所では、24か月の標準機間の中で障がいのある方の就職に関する支援を提供すると共に、働いた後もフォローアップをしていきます。
【就労移行支援事業所で受けられる支援内容】
- ストレスコントロールなどの講座:ストレスコントロールや自己理解、障がい受容などの働き続けるための各種講座の提供を行っています。
- 仕事のスキル取得の訓練:パソコンや作業系など業務スキルを取得するための訓練や、職場実習の提供などを行っています。
- 就職活動のサポート:面談による自身の障がい特性や得意不得意の整理のサポートや、応募書類の添削、模擬面接の実施、面接同行など就職活動のサポートを行います。
- 働いた後の定着支援:働いた後も定期的な面談や職場訪問を通して、長期就労のためのサポートを行っていきます。
就労移行支援事業所は数多くあり、事業所によって提供しているサービスも変わってきます。パニック障害など精神障害のある方の支援を中心にしている事業所もありますので、気になる場所があったら問い合わせてみるといいでしょう。
地域障害者職業センター
地域障害者職業センターは、障がいのある方が働くための専門的なサービスを提供している支援機関です。
独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構が運営しており、全国47都道府県に設置されている他、東京など一部の地域では支店もあります。
地域障害者職業センターで受けられる支援内容
地域障害者職業センターでは、障がいのある方へ仕事に関する専門的な支援を行うとともに、職場への働きかけも行っています。ここでは障がいのある方への支援を中心に紹介します。
【地域障害者職業センターで受けられる支援内容】
- 職業評価・職業相談:障害者職業カウンセラーとの面談や検査などを通して、就職活動の計画を立てていきます。
- 職業準備訓練:各種職業スキルの向上のための訓練や、自己理解・ストレスコントロールなどの働き続けるための講座、書類添削や面接の練習などの提供を行います。
- 職場適応援助者(ジョブコーチ)支援:働いた後もジョブコーチと呼ばれる専門的なスタッフを職場に派遣し、障がいの特性に応じて業務の進め方のアドバイスや、職場への働きかけなどの支援をおこないます。
- リワーク支援:休職している精神障害のある方に対して、職場復帰をスムーズにするための講座や自己理解促進のサポートなどを行います。
地域障害者職業センターでは、専門的な支援の提供を行っています。基本的に都道府県に1つなので、場所を確認したうえで問い合わせてみるといいでしょう。
障害者就業・生活支援センター
障害者就業・生活支援センターとは「なかぽつ」や「しゅうぽつ」とも呼ばれる、障がいのある方の生活と仕事の両方に関するサービスを提供している支援機関です。
厚生労働省や都道府県の委託を受けた社会福祉法人、医療法人、NPO法人などが運営を行っており、令和4年4月1日時点で338か所設置されています。
障害者就業・生活支援センターの支援内容
障害者就業・生活支援センターでは、企業など雇用側への働きも行っていますが、ここでは就職活動に関する支援内容を中心に紹介します。
【障害者就業・生活支援センターで受けられる支援内容】
- 就職相談:働くことへの各種相談受付をしています。障がいやこれまでの経歴、これからの就職への希望などを整理して、訓練の計画を立てたり、他の支援機関と連携したサポートを行っていきます。
- 職業準備訓練:業務に関するスキルや知識の習得のための訓練の提供や、ストレスコントロールや自身の特性や得意不得意をまとめるサポートを行って、働くための準備を整えていきます。
- 就職活動の支援:応募求人を一緒に検討することや、書類添削・面接指導などの就職活動に関するサポートを行っていきます。
- 定着支援:働いた後も定期的に連絡を取り、困ったことがあった際に本人や職場へ働きかけを行い、長く働くためのサポートをしていきます。
- 生活の相談:就職に関することだけでなく生活に関しての相談も受け付けており、住居や年金の手続きなどのサポートをおこなっています。
障害者就業・生活支援センターでは就職だけでなく、生活に関する支援も行っているのが特徴です。お金のことなど就職以外でもサポートを希望する方は相談をしてみるといいでしょう。
ハローワーク
ハローワークは正式名称を「公共職業安定所」といい、求人の紹介や雇用保険の手続きなど、雇用に関する業務の中核を担っている行政機関です。
厚生労働省が運営しており、令和4年4月1日で全国に544か所設置されています。
ハローワークでは「専門援助部門」と呼ばれる、障がいのある方専用の窓口が設置されていて、就職活動などのサポートを行っています。
ハローワークで受けられる支援内容
ここでは、ハローワークの障がいのある方へ向けたサポートを紹介していきます。
【ハローワークで受けられる支援内容】
- 職業相談・求人紹介:障がいのある方の就職に詳しいスタッフが担当し、就職に関する相談から一貫してサポートをしていきます。相談を通して障がいの特性やこれまでの経験、本人の希望などを踏まえて求人紹介を行っていきます。
- セミナーや面接会の案内:業務スキルを身につける各種セミナーや合同面接会など、就職活動に関する情報提供や案内を行っています。
- 就職活動の支援:応募先の企業との調整や、履歴書・職務経歴書の書き方指導や、模擬面接など障がいの特性に合わせた就職活動のサポートを提供していきます。
- ハロートレーニング・障害者トライアル雇用:「ハロートレーニング」と呼ばれる、職業スキルを身につけるための訓練や、「障害者トライアル雇用」という一定期間実際の職場で働いた後に正式に雇用契約を結ぶ制度など、就職のための支援制度の案内や手続きを行っています。
ハローワークでは雇用に関することを幅広く行っています。障がい者求人を検索することもできますので、気になる方は一度相談に訪れてみるといいでしょう。
転職エージェント
転職エージェントは、相談者の経歴やこれからの就職の希望などを面談によって把握したうえで、その人に合った求人の紹介や、就職活動のサポートを行っているサービスのことです。
障がいのある方向けの転職エージェントもあり、障がいのある方の就職の専門スタッフにより、障がい特性も踏まえたサービスの提供を受けることができます。
転職エージェントで受けられる支援内容
転職エージェントでは、まず面談を通してその方の状況を把握したうえで、求人の紹介などのサービスを提供していきます。
【転職エージェントで受けられる支援内容】
- キャリアカウンセリング:就職に関する専門のスタッフによる面談により、これまでの職務経歴、現在の状況、これからの就職に関する希望などを整理していきます。
- 求人紹介:キャリアカウンセリングで整理した内容を踏まえて、その方の状況や希望に合った求人の紹介を行っていきます。
- 就職活動のサポート:応募する企業が決まったら、履歴書・職務経歴書など書類の添削指導や、面接の練習や模擬面接などの就職活動のサポートを行います。
- 企業との手続き代行:本人が就職活動に集中できるように、面接の日程調整や、入社が決まった後の手続きの代行など、本人に代わって行うこともあります。
- 就職後のフォローアップ:就職後も定期的に連絡を取って、必要なときには本人や職場に働きかけを行っていきます。
障がいのある方向けの転職エージェントでは、さらに障がいについての知識や経験のあるスタッフにより、障がい特性や得意不得意の整理を行ったうえで、求人の紹介が行われます。
また、就職活動のサポートや、就職後のフォローアップも、パニック障害などの障がいの種類や、本人の適性を踏まえてきめ細やかな対応をすることで、安定して働き続けるためのサポートを行っていきます。
相談は無料で行えますので、「パニック障害の症状が出て働くことに悩んでいる」「一人で就活を進めるのが不安」という方は、一度ご相談ください。
まとめ
パニック障害は、予期しない突然の強い恐怖や不快が高まり「動悸」「息切れ」「手足の震え」などのパニック発作が繰り返し起きる疾患のことです。
パニック障害のある方は、パニック発作のために安定した通勤が困難であったり、不安を強く感じる業務に取り掛かることがむずかしくなったりと様々な影響が出てきます。
パニック障害の方が働き続けるためには、治療を行い、その中で対処法を身につけるとともに、不安を感じやすい状況を整理して、自らが働きやすい職場を見つけていくことが大事になります。
一人で就職活動を進めることに不安を感じることもあると思います。そういったときは、就労サービスを利用してサポートを受けながら進めていくことも検討してみるといいでしょう。
【本記事監修者】 佐々木規夫様 産業医科大学医学部医学科卒業。 |