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お役立ちコラム

障害者手帳を持っている人が受けることができる割引や支援・サービス一覧!

目次

「障害者手帳を持つと、何かメリットがあるのだろうか」と考えることはありませんか。

障害者手帳を所持している方は、さまざまな割引やサービスが受けられます。

本記事では、障害者手帳を所持している方が受けられる割引やサービスについて、詳しく説明します。

多くの場所で割引を受けられたり、税金が免除されたりするなどのメリットがありますので、ぜひ最後までご覧ください。

障がい者が受けることができる割引


障がいがある方をサポートするための仕組みやサービスは、数多くあります。

生活にまつわる多くのサービスで割引制度があり、障がいがある人もない人も同じく社会参加できるような環境とするため、さまざまな仕組みが作られているのです。

ここでは、障がい者割引の対象となる方について説明します。

障がい者割引が受けられる対象者

障がい者割引を受けられる対象者は、障害者手帳を所有している方です。

障害者手帳には「身体障害者手帳」「精神障害者保健福祉手帳」「療育手帳」の3種類があります。

これらの手帳は、対象となる障がいや疾患が以下の通り、異なります。

障害者手帳の種類 該当する障がい
身体障害者手帳 ●視覚障害
●聴覚・平衡機能障害
●音声・言語・そしゃく障害
●肢体不自由(上肢不自由、下肢不自由、体幹機能障害、脳原性運動機能障害)
●心臓機能障害
●じん臓機能障害
●呼吸器機能障害
●ぼうこう・直腸機能障害
●小腸機能障害
●HIV免疫機能障害
●肝臓機能障害
精神障害者保健福祉手帳 ●統合失調症
●気分(感情)障害
●非定型精神病
●てんかん
●中毒精神病
●器質性精神障害(高次脳機能障害を含む)
●発達障害
●その他の精神疾患
療育手帳 ●知的障害

参考:障害者手帳について|厚生労働省

なお、療育手帳は自治体によって名称が異なる場合があり「愛の手帳」や「緑の手帳」と呼ぶ自治体もあります。

これらの障がいがあり、障害者手帳を所持している方が、障がい者割引の対象です。

障害者手帳取得者が受けられる割引一覧


障害者手帳を所持していると、以下のようにさまざまな割引サービスが利用できます。

割引対象 概要 備考
公共交通機関 JR旅客運賃 電車の運賃が割引される 精神障がい者は対象外
航空旅客運賃 国内線の運賃が割引される 航空会社によって割引率に変動あり
バスやタクシー 運賃が割引される バス会社やタクシー会社による
高速道路 通常料金の半額になる 精神障がい者は対象外
公共施設 宿泊施設 宿泊料金が割引される 宿泊施設による
テーマパーク 入場料金が割引される 1名の同伴者に限り、対象となる場合あり
映画館 映画料金が割引される 映画館によって割引率が異なる
美術館・博物館 入場料金が割引される 美術館や博物館による
カラオケ 室料が割引される 運営会社による
公共料金 NHK受信料 放送受信料の全額または半額が減免 障がいのある方が世帯主の場合は半額。世帯全員が非課税の場合、全額免除。
郵便料金 郵便料金の減免 点字郵便物や特定録音物等郵便物(3kg)までの郵便料金が無料など
携帯料金 携帯電話の基本使用料や各種サービスの月額使用料などが割引される 携帯会社によってサービス名称や割引内容に違いあり
水道料金 水道料金の一部が減免される 自治体による
税金 所得税 障害者控除が受けられる 障がい者本人の場合は27万円(特別障害者は40万円)が所得金額から差し引かれる
相続税 障害者控除が受けられる 相続人が障がいのある方の場合に適用される
その他 宅配サービス 宅配料が割引される 宅配会社による
クリーニング クリーニング料金が割引される クリーニング会社による


それぞれの割引サービスの内容について、詳しく紹介します。

JR旅客運賃

JR旅客運賃は、身体障がい者と知的障がい者の運賃が一部割引されます。

割引料金が適用されるためには、切符の購入時に障害者手帳の提示が必要です。

乗車時にも障害者手帳の提示を求められる場合があるので、JRの利用時には必ず持参しましょう。

なお、JRでは精神障害のある方は対象外ですが、JR以外の交通機関では割引を受けられる場合もあります。詳しくは利用会社へ問い合わせてみましょう。

航空旅客運賃

航空旅客会社によって、障害者手帳を所持している方の運賃が割引となる場合があります。

たとえば、ANAであれば航空券の購入時に障害者手帳を提示すると、運賃割引の対象となります。

ただし、JALは障がい者割引を実施しておらず、格安航空会社も実施していない場合があることには注意が必要です。

詳しくは、利用する航空会社へ問い合わせてみましょう。

バス・タクシー

バスやタクシーは、障害者手帳を所持している方の運賃割引が適用になります。

バスであれば、定期券も割引になるため、購入時に障害者手帳を持参するようにしましょう。

また、タクシーは乗車時に障害者手帳を提示すると割引を受けられます。

ただし、いずれも割引を実施していない会社がある場合や、精神障害のある方は対象外となる自治体があるため、あらかじめ確認しておきましょう。

高速道路

高速道路は障害者手帳を所持している方が運転する場合、通常料金の50%が割引されます。

また、障がい者本人以外が運転し、重度の身体障害のある方、または重度の知的障害のある方が同乗している場合も割引の対象です。

割引を受けるためには、 自治体の福祉事務所窓口やオンライン(ETC利用の場合)にて事前に申請が必要となります。

宿泊施設

宿泊施設によっては、障害者手帳を所持していると宿泊料金の割引を受けられる場合があります。

割引が適用になる宿泊施設であれば、宿泊先の窓口で障害者手帳を提示しましょう。

ただし、対象の宿泊施設は少なく、大手のビジネスホテルチェーンなども割引制度のない場合が多い傾向です。割引を受けたい場合には、宿泊前に確認しておきましょう。

テーマパーク

テーマパークも障がい者割引が適用になる場合があります。

いずれも、入園時に障害者手帳の提示が必要のため、出かける時には忘れずに持参しましょう。

国内大手のテーマパークの障がい者割引は、以下の通りです。

  対象者 入場料金
東京ディズニーランドの例 身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳、療育手帳(愛の手帳、緑の手帳)、被爆者健康手帳、戦場傷病者手帳、障害福祉サービス受給者証をお持ちの方
※同伴者1名も適用
●大人6,500円~
●中人5,300円~
●小人3,800円~
(入場日によって価格が異なる)
ユニバーサルスタジオジャパンの例 身体障害者手帳、精神障碍者保健福祉手帳、療育手帳、被爆者手帳、戦傷病者手帳をお持ちの方
※同伴者1名も適用
●大人4,700円
●子ども3,200円

映画館

一部の映画館では、障がい者割引を設けている場合があります。

対象者は幅広く、身体障害者手帳や療育手帳を所持している方もしくは精神障害者保健福祉手帳を所持している方を含める全ての方です。

なお、対象となる映画館は以下の通りです。

  • TOHOシネマズ
  • イオンシネマ
  • ユナイテッドシネマ・シネプレックス など

映画館によって割引料金などが異なる場合もあるので、詳しくはそれぞれの映画館に問い合わせてみましょう。

美術館や博物館

入館時に障害者手帳を提示すると、本人と同伴者1名が無料もしくは半額で入場できる場合があります。

対象になる美術館は、以下の通りです。

  • 国立新美術館
  • 国立西洋美術館
  • 大阪市立美術館 など

ほかにも、多くの美術館や博物館で入場料割引の対象となります。

入館時に対象となるか確認しましょう。

カラオケ

受付時に障害者手帳を提示すると、室料割引が適用になる場合があります。

グループ全員に適用になる場合もあるため、忘れずに持参しましょう。

ただし、障がい者割引を設けていないカラオケもあるため、事前に確認が必要です。

NHK受信料

NHK受信料では、以下のいずれかに該当する方が半額となります。

  • 身体障害者手帳を所持し障がい等級が重度(1級か2級)の方
  • 視覚障害、聴覚障害の方
  • 重度の知的障がい者
  • 精神障害者保健福祉手帳をお持ちで障がい等級が重度(1級)の方

さらに、身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳、療育手帳のいずれかを所持している方がいる世帯で、世帯員全員が市町村民税非課税の場合は、全額免除となります。

手続きの際は、自治体やNHKの窓口にある申請書に必要事項を記入して、免除事由の証明書類が必要です。

詳しくはNHK受信料の窓口)をご覧ください。

郵便料金

指定の郵便物であれば、無料になったり減額になったりする場合があります。

例えば、3kg以内の「点字郵便物」や「特定録音物等郵便物」の郵送料は無料です。

ほかにも、心身障がい者用ゆうメールや聴覚障がい者用ゆうパック、点字ゆうパックは、通常料金と比較して減免となります。詳しくは、最寄りの郵便局に確認しましょう。

携帯料金

大手キャリアでは、障害者手帳(身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳、療育手帳)を所持していると基本料金などの割引を受けられます。

NTTドコモはハーティ割引、auはスマイルハート割引、ソフトバンクモバイルはハートフレンド割引とそれぞれ異なった名称でサービスを提供しています。

基本料金のほかにも、各種サービスの料金が割引される場合もあるので、利用中のキャリアに確認してみましょう。

水道料金

自治体によりますが、水道料金の一部が減免される場合があります。

減免の対象となる要件も自治体によって異なり、世帯員全員の住民税が非課税であることなども要件となる可能性があります。

詳しくは、自治体の窓口に確認してみましょう。

所得税

障がいのある方本人が所得税を支払う場合、障害者控除の適用となり、年間27万円(特別障害者の場合は40万円)が所得金額から差し引かれます。

ただし、自ら申請しない限り適用となりませんので、年末調整書類や確定申告書類に忘れずに記入するようにしましょう。

相続税

障がいのある方の生活費などへの配慮で、相続税にも優遇措置があり、障害者控除の対象です。

相続人が障がいのある方の場合、85歳に達するまでの1年につき10万円(特別障害者は20万円)が障害者控除として、相続税額から差し引かれます。

相続税の申請の際は「未成年者控除額・障害者控除額の計算書」の添付が必要です。

障害者手帳などの提示も求められるため、手続き時に持参しましょう。

宅配サービス

障害者手帳を所持する方がいる世帯は、宅配サービスの配達料の割引を受けられる場合があります。

以下のサービスでは、障がいがある方の割引を行っています。

  • おうちコープ
  • パルシステム
  • らでぃっしゅぼーや

ただし、配送エリアが限られている場合もあるので、あらかじめ確認しておきましょう。

クリーニング

店舗によりますが、クリーニング会社でも障がいのある方に割引制度を実施している場合があります。

利用の際は、障害者手帳の提示が必要となるため、持参しましょう。

例えば、以下のクリーニング店ではクリーニング品20%割引(Yシャツ、特殊品除く)を実施しています。
うさちゃんクリーニング

障害者手帳を持っている方が利用できる就労サービス


障害者手帳を持っている方は、就職する際に抱える悩みや不安を相談できる就労サービスの利用が可能です。

それぞれの機関では、相談できる内容や実際の支援内容が異なるため、あらかじめ特徴を理解して活用しましょう。

【障がい者の方が活用できる就業支援】

  • 就職移行支援事業所
  • 地域障害者職業センター
  • 障害者就業・生活支援センター
  • ハローワーク
  • 転職エージェント

それぞれの特徴について、詳しく解説します。

就労移行支援事業所

就労移行支援事業所は、障害者総合支援法に基づいて運営されている通所型の職業訓練事業所です。

全国で3,000以上の事業所があり、障害者手帳を所持する人に広く利用されるサービスとなっています。

障がいがあって一般企業への就職を目指す方に対し、就労に必要な知識・能力の向上や職場体験などの機会を提供する事業所です。

【就労移行支援事業所で受けられる支援内容】

  • 職業訓練の提供
  • 就職活動の支援
  • 就労定着支援

就労移行支援事業所は、基本的に就職のための職業訓練を行う場所として運営されています。

独自のネットワークで就職につながるケースもありますが、求人の紹介はされないことが多いためあらかじめ認識しておきましょう。

地域障害者職業センター

地域障害者職業センターは、障がいのある方の専門的な職業リハビリテーションを提供する施設です。

全国47都道府県に最低1ヶ所ずつ設置されており、独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構という機関が運営しています。

【地域障害者職業センターで受けられる支援内容】

  • 職業評価
  • 職業準備支援
  • 職場適応援助者(ジョブコーチ)支援事業

障がいのある方だけではなく、障がい者雇用を行う企業のサポートも行います。

地域で暮らす障害のある方が安定して雇用につながるよう、専門的な職業リハビリテーションが実施できる機関です。

障害者就業・生活支援センター

障害者就業・生活支援センターは障がいのある方で就職を希望している方やすでに働いている方が利用できる機関です。

全国に300以上の機関が設置されており、就業面と生活面の一体的な相談や支援を行っています。

【障害者就業・生活支援センターで受けられる支援内容】

  • 就職に向けた準備支援
  • 職場定着に向けた支援
  • 日常生活や地域生活に関する助言

就職に向けた準備支援では、個別の状況を踏まえて細やかな支援を受けられます。

就職に関わることだけでなく、就職後の生活に関する助言など、生活習慣の形成や金銭管理などの自己管理に関する支援も行われています。

ハローワーク

ハローワークとは、厚生労働省が全国に500ヶ所以上設置する公共職業安定所です。

就職や転職を目指す全ての人に対して、以下のような支援を行っています。

【ハローワークで受けられる支援内容】

  • 職業紹介
  • 面接対策のサポート
  • 職業訓練の相談

ハローワークには、障がいがある方への支援に特化した支援員が設置されており、本人の適性に合った仕事を探せるようにサポートしてくれます。

面接対策のサポートや職業訓練などの相談もできるため、就職に不安のある方も安心して利用できるでしょう。

転職エージェント

障がい者雇用枠での就職を考えている場合は、転職エージェントの利用もおすすめです。

転職エージェントの中には、障がいがある方向けの専門サービスもあります。

【転職エージェントで受けられる支援内容】

  • 就職に向けてのカウンセリング、企業への応募や面接日程の調整
  • 書類添削や面接練習などの採用試験対策
  • 入社後のアフターフォロー

転職エージェントでは、相談から就職内定まで手厚いキャリアアドバイザーからの支援を受けられます。

転職支援のプロであるため、豊富な知識や適切な助言で希望に合った企業への就職につながる可能性が高くなります。

また、障がいがある人向けの転職エージェントであれば、障がいの特性などから自身に合う職業の提案を受けられたり、障がいのある方の採用を積極的に行っている企業を紹介してもらえたりします。

障がい者雇用枠での就職を考えている方は、ぜひ利用してみてください。
マイナビパートナーズ紹介

まとめ

障害者手帳を所持している方は、さまざまな割引やサービスを利用できます。交通機関だけでなく、美術館や博物館、映画館など趣味に関わることも割引になる場合があります。

これらを利用して、外出や趣味を満喫することは、精神的な満足感や充実感を得ることにつながります。

また、就労の際には障害者手帳を取得すると、障がい者雇用枠での就職活動が可能です。

中でも転職エージェントは、プロのキャリアアドバイザーから障がい者雇用枠での就職に特化した助言を受けられるのがメリットです。就職活動に悩んだ際は、ぜひ活用してみましょう。

マイナビパートナーズ紹介

【本記事監修者】
佐々木規夫様                    

産業医科大学医学部医学科卒業。
東京警察病院を経て、HOYA株式会社の専属産業医及び健康推進G統括マネジャーとして健康管理に従事。現在は上場企業や主要官庁を中心に産業医をしながら、精神科医としても勤務している。また、北里大学大学院産業精神保健学教室において、職場コミュニケーション、組織公正性に関する研究や教育を行なっている。
【資格】
産業医、精神科専門医、精神保健指定医、医学博士、日本産業衛生学会専門医・指導医、労働衛生コンサルタント、社会医学系専門医・指導医、メンタルヘルス法務主任者

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マイナビパートナーズ紹介は、マイナビグループの特例子会社である株式会社マイナビパートナーズが手がける、障がい者に特化した求人紹介サービスです。

マイナビパートナーズは設立から4年で100名以上の障がい者を採用してきました。そのノウハウと経験から、障がい当事者には適職をご紹介し、採用企業には、障がい者が活躍できる環境づくりのサポートを行っています。

障がい者本人が思いもよらぬ能力を発揮し、成果を出すところを私たちは目の当たりにしてきました。ひとつの求人と出会い、働くことで輝いていく姿は、なにものにも替えがたいものです。マイナビパートナーズ紹介は、これからも障がい当事者と企業の橋渡しをすることで、社会に貢献していきます。

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