2024年05月17日
障害者手帳を持っている人が受けることができる割引や支援・サービス一覧!

目次
「障害者手帳を持つと、何かメリットがあるのだろうか」と考えることはありませんか。
障害者手帳を所持している方は、さまざまな割引やサービスが受けられます。
本記事では、障害者手帳を所持している方が受けられる割引やサービスについて、詳しく説明します。
多くの場所で割引を受けられたり、税金が免除されたりするなどのメリットがありますので、ぜひ最後までご覧ください。
障がい者が受けることができる割引
障がいがある方をサポートするための仕組みやサービスは、数多くあります。
生活にまつわる多くのサービスで割引制度があり、障がいがある人もない人も同じく社会参加できるような環境とするため、さまざまな仕組みが作られているのです。
ここでは、障がい者割引の対象となる方について説明します。
障がい者割引が受けられる対象者
障がい者割引を受けられる対象者は、障害者手帳を所有している方です。
障害者手帳には「身体障害者手帳」「精神障害者保健福祉手帳」「療育手帳」の3種類があります。
これらの手帳は、対象となる障がいや疾患が以下の通り、異なります。
障害者手帳の種類 | 該当する障がい |
身体障害者手帳 | ●視覚障害 ●聴覚・平衡機能障害 ●音声・言語・そしゃく障害 ●肢体不自由(上肢不自由、下肢不自由、体幹機能障害、脳原性運動機能障害) ●心臓機能障害 ●じん臓機能障害 ●呼吸器機能障害 ●ぼうこう・直腸機能障害 ●小腸機能障害 ●HIV免疫機能障害 ●肝臓機能障害 |
精神障害者保健福祉手帳 | ●統合失調症 ●気分(感情)障害 ●非定型精神病 ●てんかん ●中毒精神病 ●器質性精神障害(高次脳機能障害を含む) ●発達障害 ●その他の精神疾患 |
療育手帳 | ●知的障害 |
なお、療育手帳は自治体によって名称が異なる場合があり「愛の手帳」や「緑の手帳」と呼ぶ自治体もあります。
これらの障がいがあり、障害者手帳を所持している方が、障がい者割引の対象です。
障害者手帳取得者が受けられる割引一覧
障害者手帳を所持していると、以下のようにさまざまな割引サービスが利用できます。
割引対象 | 概要 | 備考 | |
公共交通機関 | 鉄道旅客運賃 | 電車の運賃が割引される | 精神障がい者は対象外 |
航空旅客運賃 | 国内線の運賃が割引される | 航空会社によって割引率に変動あり | |
バスやタクシー | 運賃が割引される | バス会社やタクシー会社による | |
高速道路 | 通常料金の半額になる | 精神障がい者は対象外 | |
公共施設 | 宿泊施設 | 宿泊料金が割引される | 宿泊施設による |
テーマパーク | 入場料金が割引される | 1名の同伴者に限り、対象となる場合あり | |
映画館 | 映画料金が割引される | 映画館によって割引率が異なる | |
美術館・博物館 | 入場料金が割引される | 美術館や博物館による | |
カラオケ | 室料が割引される | 運営会社による | |
公共料金 | 郵便料金 | 郵便料金の減免 | 点字郵便物や特定録音物等郵便物(3kg)までの郵便料金が無料など |
携帯料金 | 携帯電話の基本使用料や各種サービスの月額使用料などが割引される | 携帯会社によってサービス名称や割引内容に違いあり | |
水道料金 | 水道料金の一部が減免される | 自治体による | |
税金 | 所得税 | 障害者控除が受けられる | 障がい者本人の場合は27万円(特別障害者は40万円)が所得金額から差し引かれる |
相続税 | 障害者控除が受けられる | 相続人が障がいのある方の場合に適用される | |
その他 | 宅配サービス | 宅配料が割引される | 宅配会社による |
クリーニング | クリーニング料金が割引される | クリーニング会社による |
それぞれの割引サービスについては、各施設のサイト等にてご確認ください。
障害者手帳を持っている方が利用できる就労サービス
障害者手帳を持っている方は、就職する際に抱える悩みや不安を相談できる就労サービスの利用が可能です。
それぞれの機関では、相談できる内容や実際の支援内容が異なるため、あらかじめ特徴を理解して活用しましょう。
【障がい者の方が活用できる就業支援】
- 就職移行支援事業所
- 地域障害者職業センター
- 障害者就業・生活支援センター
- ハローワーク
- 転職エージェント
それぞれの特徴について、詳しく解説します。
就労移行支援事業所
就労移行支援事業所は、障害者総合支援法に基づいて運営されている通所型の職業訓練事業所です。
全国で3,000以上の事業所があり、障害者手帳を所持する人に広く利用されるサービスとなっています。
障がいがあって一般企業への就職を目指す方に対し、就労に必要な知識・能力の向上や職場体験などの機会を提供する事業所です。
【就労移行支援事業所で受けられる支援内容】
- 職業訓練の提供
- 就職活動の支援
- 就労定着支援
就労移行支援事業所は、基本的に就職のための職業訓練を行う場所として運営されています。
独自のネットワークで就職につながるケースもありますが、求人の紹介はされないことが多いためあらかじめ認識しておきましょう。
地域障害者職業センター
地域障害者職業センターは、障がいのある方の専門的な職業リハビリテーションを提供する施設です。
全国47都道府県に最低1ヶ所ずつ設置されており、独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構という機関が運営しています。
【地域障害者職業センターで受けられる支援内容】
- 職業評価
- 職業準備支援
- 職場適応援助者(ジョブコーチ)支援事業
障がいのある方だけではなく、障がい者雇用を行う企業のサポートも行います。
地域で暮らす障害のある方が安定して雇用につながるよう、専門的な職業リハビリテーションが実施できる機関です。
障害者就業・生活支援センター
障害者就業・生活支援センターは障がいのある方で就職を希望している方やすでに働いている方が利用できる機関です。
全国に300以上の機関が設置されており、就業面と生活面の一体的な相談や支援を行っています。
【障害者就業・生活支援センターで受けられる支援内容】
- 就職に向けた準備支援
- 職場定着に向けた支援
- 日常生活や地域生活に関する助言
就職に向けた準備支援では、個別の状況を踏まえて細やかな支援を受けられます。
就職に関わることだけでなく、就職後の生活に関する助言など、生活習慣の形成や金銭管理などの自己管理に関する支援も行われています。
ハローワーク
ハローワークとは、厚生労働省が全国に500ヶ所以上設置する公共職業安定所です。
就職や転職を目指す全ての人に対して、以下のような支援を行っています。
【ハローワークで受けられる支援内容】
- 職業紹介
- 面接対策のサポート
- 職業訓練の相談
ハローワークには、障がいがある方への支援に特化した支援員が設置されており、本人の適性に合った仕事を探せるようにサポートしてくれます。
面接対策のサポートや職業訓練などの相談もできるため、就職に不安のある方も安心して利用できるでしょう。
転職エージェント
障がい者雇用枠での就職を考えている場合は、転職エージェントの利用もおすすめです。
転職エージェントの中には、障がいがある方向けの専門サービスもあります。
【転職エージェントで受けられる支援内容】
- 就職に向けてのカウンセリング、企業への応募や面接日程の調整
- 書類添削や面接練習などの採用試験対策
- 入社後のアフターフォロー
転職エージェントでは、相談から就職内定まで手厚いキャリアアドバイザーからの支援を受けられます。
転職支援のプロであるため、豊富な知識や適切な助言で希望に合った企業への就職につながる可能性が高くなります。
また、障がいがある人向けの転職エージェントであれば、障がいの特性などから自身に合う職業の提案を受けられたり、障がいのある方の採用を積極的に行っている企業を紹介してもらえたりします。
障がい者雇用枠での就職を考えている方は、ぜひ利用してみてください。
まとめ
障害者手帳を所持している方は、さまざまな割引やサービスを利用できます。交通機関だけでなく、美術館や博物館、映画館など趣味に関わることも割引になる場合があります。
これらを利用して、外出や趣味を満喫することは、精神的な満足感や充実感を得ることにつながります。
また、就労の際には障害者手帳を取得すると、障がい者雇用枠での就職活動が可能です。
中でも転職エージェントは、プロのキャリアアドバイザーから障がい者雇用枠での就職に特化した助言を受けられるのがメリットです。就職活動に悩んだ際は、ぜひ活用してみましょう。
【本記事監修者】 佐々木規夫様 産業医科大学医学部医学科卒業。 |