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障がい者雇用での志望動機の書き方のポイントと例文を紹介!

目次

障がい者雇用枠での就職を考えているけれど、志望動機をどう書いたらいいのかお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この記事では、障がい者雇用枠での求人に応募する際の志望動機の書き方について、例文つきで解説します。コツや注意点を踏まえて具体的な職種について経験者・未経験者に分けて例文をご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

志望動機にもつながる応募する際に大切なこと

就職活動を行って採用されるためには、応募先の企業と自分がマッチしているかどうか見極めることが大切です。

企業と応募者双方の相互理解があってこそ、マッチング成功につながります。

応募の際に必要なのは、以下の2つです。

  • 応募先の企業研究
  • 自己分析

企業研究は応募者が企業を理解するために、自己分析は応募者自身が自分はどのような人材なのかを理解して企業に伝えるために必要なことです。

これら2つは、志望動機を書く際の重要な準備だとも言えるでしょう。それぞれについて具体的に解説します。

応募先の企業研究

企業研究とは、就職活動に際して応募先の企業について調べ、どのような企業なのか理解することです。

企業研究は、「なぜ自分がその企業に応募するのか」を掘り下げ、志望動機を明確にすること、そしてミスマッチを防ぐためにも役立ちます。

企業研究を進めていくにつれ、「この企業は自分には合っていない」「もっとこういう要素のある企業が合うのではないか」など、より自身にマッチする企業と出会える方向に動いていけるのです。

企業研究は、まずその企業が属する業界・業種について大まかに調べたうえで(業界・業種研究)、同じ業種の別の企業と比較しながら行っていくとよいでしょう。

同じ業種でもさまざまな経営方針や職場環境があること、業種や業界でのトレンドや今後の見通しなどがわかってくるはずです。

障がい者採用専用ページがある企業もありますので、障がい者雇用枠での就職を目指す場合にはぜひチェックしてみてください。

自己分析

就活における自己分析とは、自分の特徴や長所・短所、価値観を把握・分析することで就活での『強み』を見いだすことです。

引用元:自己分析とは|マイナビ新卒紹介|新卒学生向け無料就職エージェントサービス

自己分析を行うことで、仕事に対する想いや強み、譲れない条件などが見えてくるでしょう。

すると企業とのミスマッチを防げるだけでなく、自己アピールや志望動機の根拠ともなるため、応募書類や面接時の受け答えに説得力が出てきます。

自己分析の際には、経験を振り返ったり、自分の適性を知ったり、価値観を整理したりします。

障がいの特性によって難しい業務があれば、「どんな配慮があれば可能か」「配慮を受けても難しいか」といった点も考えてみましょう。

ハローワークの障がい者向け窓口、障害者就業・生活支援センター、地域障害者職業センター、転職エージェントなどには使いやすいワークシートやプログラムが用意されていますので、そうしたサービスを利用してみるのも一つの方法です。
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障がい者雇用での志望動機の書き方のポイント

障がい者雇用枠の求人での志望動機の書き方のポイントとして、以下のようなものが挙げられます。

  • これまでの経験や実績・スキル
  • 選んだ理由・何がしたいのか
  • 障がいによる特性

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

これまでの経験や実績・スキル

障がい者雇用枠での志望動機については、これまでの経験や実績・スキルを具体的に書くことが重要です。

企業には、 「この人の経験・実績・スキルは我が社とマッチングしているだろうか」という点を重視しながら採用活動を行う傾向があります。

そのため、事前の企業研究に基づき、企業が求めている実績を持っていること、実績を持っていないなら求められているスキルを習得した経験、または習得する意欲があることを具体的に書きましょう。

具体的なことを書かず、やる気だけをアピールする方法は説得力を欠くので注意してください。

志望する企業で求められているスキルについて実績や学習履歴がない場合であっても、それ自体がマイナスに働くとは限りません。

例えば、これからいつ・どこで・どのように学習する予定なのかといった具体的な内容を書くことで、むしろプラスにとらえてもらえる可能性があります。

選んだ理由・何がしたいのか

障がい者雇用枠での志望動機では、その企業を選んだ理由や、その企業で何がしたいのか(できるのか)といった点も重要です。

多くの場合、企業は「なぜ数ある中から我が社を選んだのか」という根拠を求める傾向があるため、説得力のある答えを用意しなければなりません。

選んだ理由を書く場合は、事前の企業研究や自己分析を根拠に「こういう理由から、数年後・10年後も私はこの会社で働いていたいし、働いていられるのだ」という形にするのが一般的です。

何がしたいのか(できるのか)に関しては、同じく企業研究や自己分析をベースに先の実績やスキルと合わせ、現実的に自分がどのような点で企業に貢献できるかを書きましょう。

実績やスキルと同様、大切なのは具体性。具体性や客観性を欠いた状態でやる気だけは人一倍」などといった抽象的な書き方だとマイナスに受け取られやすいので、避けた方が賢明です。

障がいによる特性

志望動機では、障がいによる特性に関して、苦手な点や配慮してほしいことなどを書くことも欠かせません。

障がいをオープンにして働くにあたり、障がいの特性に対して合理的配慮を求めることは大切な権利だからです。

不可欠な配慮があれば、無理をしたり隠したりすることなく、できるだけ正直に具体的に書く方がよいでしょう。

配慮の内容によっては企業側にとって対応に時間や費用がかかるものもあるからです。また、もしそうした不可欠な配慮に対応できない企業であれば、応募時点でマッチしないとわかるので、残念ではありますが、無理して勤めて短期間で辞めることになるよりよかったと言えるかもしれません。

ただし、配慮について書くと言っても、その点にばかり言及するのは避けた方が賢明です。

配慮を受けたいという権利意識が過剰だと解されないよう、実績やスキル、選んだ理由、どういった点で貢献できるかといった点についてもしっかり書いてください。

障がい者雇用での志望動機の例文【経験者・未経験者例あり】

ここからは、障がい者雇用枠での志望動機の例文をご紹介します。職種別に、経験者向け・未経験者向けにご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

(※例として挙げた応募者の障がい特性は、あくまで一例として挙げています。同じ障がいがある方たちの特性を代表している訳ではありません。)

  • 事務職
  • エンジニア
  • デザイナー
  • コールセンター
  • 工場内作業・軽作業

事務職

事務職の仕事は、パソコンを使った資料作成等が中心である場合や、来客・電話応対、営業や社用車運転を兼ねる場合など多岐にわたります。どのような仕事内容なのか確認してから、仕事内容に合わせて志望動機を書きましょう。

(例)
◎経験者向け

大学卒業後、A商船の事務職として5年間勤め、社内の経理や来客・電話応対を中心とした業務に携わりました。その後事故で下肢に障がいを負い、車椅子での生活となりました。
 
貴社の障がい者雇用枠での募集を知ったとき、中国での広域展開を見据えたご活動に、A商船で感じていたグローバルな企業で働くやりがいが思い出され、応募させていただきました。
 
ご縁があった暁には、経験のある経理や電話対応を中心にお役に立てるかと思います。
車椅子を使っていますので、来客応対、特にお茶出しには限りがあること、業務上の動線には車椅子が通れる程度の余裕が必要であること、車椅子用トイレが必要であることについてご配慮いただけますと幸いです。

◎未経験者向け

発達障害(ASD)があります。A就労移行支援事業所にて、Word、Excel、PowerPoint、AccessといったMicrosoft Office製品について中級者程度のスキルを身につけました。
 
自分自身に障がいがあるため、義肢装具メーカーである貴社のご活動に貢献したいと願い、応募させていただきました。ご縁があった暁には、各種資料作成を中心にお役に立てるかと思います。
 
疲れやすさがあります。体調不良時に適宜休憩を挟ませていただくことと、実働5時間までの時短勤務にご配慮いただけますと幸いです。

エンジニア

エンジニアは、分野によって多くの専門用語やプログラミング言語を使いますので、関連用語をできるだけ具体的に示しながら書くことをおすすめします。

(例)

◎経験者向け

フリーランスのSEとして3年の経験があります。主に小さなスマホアプリの開発を受注してきました。
私自身に発達障害があるので、貴社が福祉系のアプリを開発するベンチャー企業である点に惹かれました。ご縁があった暁にはアプリの開発でお役に立てるかと存じます。
 
発達障害の感覚過敏や疲れやすさの特性のため、オフィスに出勤しての勤務が難しいので、基本的にリモートで勤務することをご許可いただけますと幸いです。また、音声会話の理解が不得手であるため、業務の指示等はチャットなどのテキストベースでいただけるか、要点をメモ等で補っていただけると幸いです。

◎未経験者向け

A就労移行支援事業所でプログラミングやITパスポートのスキル・知識を身につけました。学んだ言語はPython, Java, C++です。HTMLとCSSの基礎、Adobe Illustratorの基礎も学んでいます。
 
貴社の、お客様により良い旅体験を提案するためのWebサービスを追求する姿勢に惹かれ、応募させていただきました。ご縁があった暁には、御社のWebサービスの開発にお役に立てるかと存じます。
 
統合失調症(現在は寛解)があるため、緊張しやすさや疲れやすさがあります。実働6時間までの時短勤務、勤務中に体調が悪くなってきたときの休憩にご配慮いただけますと幸いです。

デザイナー

Webに載せるバナーやイラスト、図表のデザイン、Webサイトの構築自体も含むWebデザイン、紙媒体のデザインなど、デザイナーと言っても仕事内容はさまざまです。どういった種類のデザインに携わるのか確認した上で、分野に合わせた志望動機を書きましょう。

(例)
◎経験者向け

フリーランスのデザイナーとして3年の経験があります。Webバナーや紙のチラシ、パンフレットといったものの作成を行ってきました。
 
今回、貴社のWeb・紙、社内・社外を問わず広報物を作成するデザイナーの障がい者雇用枠での募集を知り、応募させていただきました。製薬会社という社会貢献度の高い業種であることにも魅力を感じます。ご縁があった暁には広報物の作成において御社のお役に立てるかと存じます。
 
左腕に麻痺があり、ときどき激しい神経痛も起こります。この関係で、可能な限りの在宅勤務と、出社時の腕を締めつけないラフな服装、体調不良時の休憩についてご理解をいただけますと幸いです。

◎未経験者向け

A就労移行支援事業所にて、Illustrator、Photoshop、InDesignといったAdobe製品を扱うスキルを身に着けました。
 
貴社の出版物は普段から楽しませていただいており、今回障がい者雇用枠でのデザイナー募集ということで、ぜひにと応募させていただきました。ご縁があった暁には各種デザイン物の作成においてお役に立てるかと存じます。
 
膀胱に障がいがあり、このケアに時間を要します。午前と午後に1回ずつ、障がいのケアのために15分の休憩をとることを許可いただけますと幸いです。

コールセンター

発信・着信のうちどちらの仕事なのか、カスタマーサポートでは特定分野の専門知識が必要なのか確認し、条件に合うように志望動機を書くことをおすすめします。

(例)
◎経験者向け

A社のコールセンターで5年間勤め、発信・着信両方の業務に携わりましたが、病気で視野欠損が起こり、退職しました。
 
CMでよくお見かけする貴社が障がい者雇用枠でコールセンター担当者を募集されるとのことで、ぜひにと応募させていただきました。ご縁があった暁には経験を生かして御社のお役に立てることと存じます。
 
視野欠損があるため、デスクには視覚補助具が必要です。この点ご配慮いただけますと幸いです。

◎未経験者向け

A就労移行支援事業所で社会人マナーについて学び、◯◯マナー検定◯級を取得しました。
 
貴社が私の居住地である那覇市にコールセンターを展開し、障がい者雇用枠でコールセンター担当者を募集とのことで、ぜひにと応募させていただきました。ご縁があった暁には、もともとの明るく人なつこい性格に加え、身につけた知識を生かして、御社のお役に立てることと存じます。
 
双極性障害(現在寛解中)があるため、周囲の方で、私にうつや躁の傾向が出ていないか見守っていただくことと、心身に負担がかからないように実働6時間までの時短勤務にさせていただくことについて、ご配慮いただけますと幸いです。

工場内作業・軽作業

工場内作業・軽作業の求人の場合、作業の正確さやスピードを求められることも少なくありません。該当する実績や特性があればアピールしましょう。

(例)
◎経験者向け

アパレル倉庫にて、検品や品数カウントなどの軽作業を1年間経験しました。作業のミスが少ないと高評価をいただき、自分でもこの仕事は向いていると思っていましたが、勤務時間が長く体調を崩したため退職しました。
 
貴社は自宅から交通の便の良いところにあり、障がい者雇用枠での採用では時短勤務も可能ということで、ぜひにと応募させていただきました。ご縁があった暁には正確な作業で貢献できるかと存じます。
 
発達障害からくる疲れやすさにより、1日4~5時間までの時短勤務を希望しています。この点についてご配慮いただけますと幸いです。

◎未経験者向け

A就労移行支援事業所にて、倉庫内軽作業の訓練を3ヶ月間行いました。
 
私には軽度の知的障害がありますが、知能検査の結果によると大量の細かい作業をこなすのが非常に得意なタイプだとのことです。ご縁があった暁にはスピーディーで正確な作業で貴社に貢献できるかと存じます。
 
軽度の知的障害のため、指示を理解しづらい場合があります。平易な言葉でゆっくり説明していただく、図やメモを使って説明していただく、ときどき少し外れた言動をしても気づかないことがありますためご指摘いただくなど、ご配慮をお願いできれば幸いです。

まとめ

今回は、障がい者雇用枠での求人に応募する際に、志望動機をどのように書けばいいのか、例文を交えながら具体的にご紹介しました。ぜひ本記事の内容を参考にしていただき、ご自分なりの志望動機を練り上げてみてください。

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マイナビパートナーズ紹介

【本記事監修者】
佐々木規夫様         

産業医科大学医学部医学科卒業。
東京警察病院を経て、HOYA株式会社の専属産業医及び健康推進G統括マネジャーとして健康管理に従事。現在は上場企業や主要官庁を中心に産業医をしながら、精神科医としても勤務している。また、北里大学大学院産業精神保健学教室において、職場コミュニケーション、組織公正性に関する研究や教育を行なっている。
【資格】
産業医、精神科専門医、精神保健指定医、医学博士、日本産業衛生学会専門医・指導医、労働衛生コンサルタント、社会医学系専門医・指導医、メンタルヘルス法務主任者

 

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