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2022.09.28

障がい者雇用枠の就職活動がうまくいかない原因4つ|悩みを相談できるサービスも紹介

障がい者雇用枠の就職活動がうまくいかない原因4つ|悩みを相談できるサービスも紹介

目次

障がい者雇用枠での就職活動がうまくいかず、悩んでいる方も少なくないのではないでしょうか。就職活動がうまくいかない時には、これまでのやり方を振り返り、対策していくことが大切です。

この記事は、障がい者雇用枠での就職・転職にチャレンジしている方に向けて、就職活動がうまくいかない原因と、どうすれば内定がもらえるか対策を解説します。また就職活動の悩みを相談できるサービスもご紹介します。

障がい者の雇用の現状

障がい者の雇用の現状

障がい者の雇用者数は順調に増え続けています。特に、民間企業に雇用される障がい者の人数は18年連続で過去最高を更新しています。

2021年12月に厚生労働省が公表した「令和3年 障害者雇用状況の集計結果」によると、民間企業での雇用障がい者数は59万7786人となり、前年より1万9494人増加しています。(対前年比3.4%増)

障がい種別での雇用障がい者数で見ると、身体障がい者は35万9067.5人(対前年比0.8%増)、知的障がい者は14万665.0人(同4.8%増)、精神障がい者は9万8053.5人(同11.4%増)となっています。
障がい者の雇用が増加し続けている理由として、法定雇用率の上昇など障がい者雇用を促進する制度や障がい者の就労を支援する取り組みが成果を出してきたこと、社会の認知度が広まったことが挙げられます。

障がい者の就職活動がうまくいかない原因

障がい者の就職活動がうまくいかない原因

障がい者の雇用者数が増えている中で、就職活動がうまくいかない原因は何なのでしょうか。これまでの就職活動を振り返りながら、原因を探っていきましょう。考えられる原因には次のことが挙げられます。

  • ・エントリーする企業を絞り込みすぎている
  • ・企業の業種・業務内容の理解が十分でない
  • ・自己分析がきちんとおこなえていない

エントリーする企業を絞り込みすぎている

障がい者雇用は、一般雇用と比べるとエントリーできる企業が少ない傾向にあります。

そのため「自分が行きたい企業だけ」に絞ってエントリーを続けると、合格する可能性も低くなってしまいます。第一希望ではない企業でも、実際に面接で話を聞いてみると意外と興味深い企業だったということもありますので、就職先の選択肢を広げてエントリーしていきましょう。

ただし、多くの企業へエントリーするとスケジュール管理が大変になってきます。万全の状態で就職活動に取り組むには、スケジュール管理と対策、ご自身の体調管理を十分に行うことが大切です。

企業の業種・業務内容の理解が十分でない

応募する企業が自分の障がい特性と合っているか見極めるには、企業の業種・業務内容の理解を深めることが重要です。十分な企業研究によって、応募企業とのミスマッチを避けられることもあります。

企業研究をする際には、同業他社との比較も合わせて行いましょう。同業他社と比較することで、その企業の強みや魅力が見えてくるものです。企業研究によって、選考の際に企業へ志望度の高さをアピールでき、入社への本気度を伝えることができます。

自己分析がしっかりおこなえていない

就職活動がうまくいかないときは、自己分析が不十分なことが考えられます。自己分析とは、自分のこれまでの経験や思考を振り返り、自分の強みや能力、やりたいことを整理してまとめることです。

採用する企業側は、エントリーシートや面接を通して、応募者がどのような能力や思考を持ち、求める人材と合う人物であるかを判断します。自己分析ができている人は、就職活動時に自分の強みや能力、入社してやりたいこと、貢献できることなどを明確に伝えられます。

自己分析にはいくつかの方法がありますが、ここでは「5W1H」を使った自己分析の方法をご紹介します。

「5W1H」を使った自己分析とは、When(いつ)、Where (どこで)、Who(だれが)、What (なにか)Why(なぜ)、How(どのように)という切り口から自分を深掘りする方法です。

例として、「サークルでの会計の役割をやり遂げた」という経験を深掘りすると、以下のようになります。

  • ・When(どんなときに頑張った?)「サークルで1年間の会計を管理する担当になった」
  • ・Where(どこで頑張った?)「100名規模のサークル活動」
  • ・What(何をして頑張った?)「ミスや抜け漏れの多い自分が、サークルの収支を管理する役割となるために、会計の方法を工夫した」
  • ・Who(誰のために頑張れた?)「自分と1名のサブメンバー」
  • ・Why(なぜ頑張った?)「自分がサークル活動に貢献したかった」
  • ・How(どうやって頑張った?)「自分には忘れっぽさがあるので、エクセルで金銭管理するようにした。また細かい管理が苦手であるので、エクセルで一括管理してもう1名のメンバーと役割分担し、ダブルチェックする仕組みを作った」

このように、過去の経験を「5W1H」に書き出してみることで自分の考えや行動を細かく分析でき、そこから自分の強みや今まで気づいていなかった新たな能力が見つけられます。

障がい者雇用枠で履歴書を書く場合のポイント

障がい者雇用枠で履歴書を書く場合のポイント

障がい者雇用枠で履歴書を書く場合には、障がいに関する情報を詳細に記載しておくことがポイントとなります。

雇用する企業は採用の判断をするにあたり、応募者にはどのような特性があって、どのような配慮を求めているのか、それが会社として対応できるものなのかを把握しておきたいと考えています。そのため、履歴書には自分の障害について記載して企業へ伝える必要があるのです。

履歴書に記載するポイントは、以下の通りです。

  • ・障がいの内容
  • ・現在の症状
  • ・必要な配慮

障がいの内容には障害名に加えて、手帳の取得年月日と種類、等級も記載します。定期的な通院が必要な場合には通院の頻度も記載しておくとよいでしょう。

配慮してもらいたい点には、「〇〇してもらえれば〇〇ができる」といったように、配慮によってどのような業務が可能になるのかを記載することで、就職に前向きな印象を与え、企業も配慮すべき事項が明確になります。

【例文】
障がいの特性として一度に複数の仕事を与えられると混乱することがあります。そのため、仕事の指示は1つずつ出してもらい、メモを取る時間を配慮いただければ落ち着いて仕事に取り組むことができます。

障がい者が就職活動でうまくいかない悩みを相談できるサービス

障がい者が就職活動でうまくいかない悩みを相談できるサービス

それでも就職活動がうまくいかないと悩む場合には、以下のようなサービスを利用してみましょう。

  • ・転職エージェント
  • ・ハローワーク
  • ・就労移行支援事業所
  • ・地域障害者職業センター
  • ・障害者就業・生活支援センター

転職エージェント

「転職エージェント」とは、転職相談に乗ってくれる「人材紹介サービス」のことです。求人探しから応募書類の書き方、面接対策まで幅広くサポートしてくれます。

特に障がい者向けの転職エージェントは、障がい者雇用の実績が高いため障がい者枠での就職活動を考えている方におすすめです。

登録すると担当者(キャリアアドバイザー)が付き、障がいの特性に合う転職活動のプランを提案してくれるので、相談しながら応募先を探せます。また面接スケジュールの調整や、応募書類と面接の対策のアドバイス、内定が決まると入社日の調整や入社後のフォローなど、さまざまな手厚いサービスが受けられます。

マイナビパートナーズ紹介

ハローワーク

「ハローワーク」は、厚生労働省が設置する公共職業安定所のことです。「職安」とも呼ばれ、誰でも無料で職業紹介や求職相談などのサポートが受けられます。

ハローワークには障がい者雇用を扱う「障害者専門窓口」が設置されているので、障がい者枠で就職活動を検討している方は、この窓口へ相談に行きましょう。

ハローワークでは、障がい者専門の職業訓練の案内もしています。すぐに働くことに不安があるという人は、職業訓練を受けて就職に役立つ知識やスキルを身につけてから就職活動を始めることも可能です。

就労移行支援事業所

「就労移行支援事業所」とは、一般企業への就職を目指す障がい者をサポートするサービスです。利用できるのは原則2年間となり、対象は65歳未満の障がい者と難病のある方です

就労移行支援事業所では、仕事に就く前の職業訓練や職場探しの相談、就職後には仕事や職場の人間関係の悩み、金銭管理など実生活に関する相談に乗ってもらえます。

地域障害者職業センター

「地域障害者職業センター」は、ハローワークと連携して障がいのある方に対する専門的な職業リハビリテーションを提供している施設です。全国の各都道府県に1ヵ所ずつ設置されています。

地域障害者職業センターでは、障害者職業カウンセラーやジョブコーチなどの専門性の高い職員による職業評価や職業指導、就職後の支援が行われています。一人ひとりの特性に合ったサポートを受けられることから、自分に適性のある仕事を把握でき、就職先に配慮してもらいたいことなどを明確にして就職活動を進められます。

さらに精神障がい者に対する総合的な支援として、専任のカウンセラーを配置して精神がい者の就職や復職について医療機関と連携したサポートも行っています。症状が不安定で就職に不安のある方やメンタルヘルスの不調で休職している方は、相談に行ってみるとよいでしょう。

障害者就業・生活支援センター

「障害者就業・生活支援センター」は、障がいのある方の就業面と生活面の一体的な相談・支援を行う機関です。全国に334センターが設置されています。(平成30年4月現在)

障害者就業・生活支援センターでは、就業面は就業支援担当スタッフが、生活面は生活支援担当スタッフが分担して関わり、職業準備訓練や職場実習のあっせん、就職後の職場定着支援などのサポートが受けられます。

「お金がなくて生活に不安がある」「働きたいけど就職先がみつからない」といった生活と仕事の両方を相談したい場合に利用するとよいでしょう。

まとめ

障がい者の就職活動がうまくいかない原因について解説しました。就職活動がうまくいかない時には、これまでの自分の就職活動を振り返り、原因を探ることが大切です。

エントリーする企業を絞り込みすぎていること、企業研究・自己分析ができていないことなどが明らかになったら、改善策を考えましょう。また、就職活動に悩んだ時には相談できるサービスもあります。これらのサービスをうまく活用して、後悔のない就職活動を進めていきましょう。

【本記事監修者】
 佐々木規夫

産業医科大学医学部医学科卒業。
東京警察病院を経て、HOYA株式会社の専属産業医及び健康推進G統括マネジャーとして健康管理に従事。現在は上場企業や主要官庁を中心に産業医をしながら、精神科医としても勤務している。また、北里大学大学院産業精神保健学教室において、職場コミュニケーション、組織公正性に関する研究や教育を行なっている。
【資格】
産業医、精神科専門医、精神保健指定医、医学博士、日本産業衛生学会専門医・指導医、労働衛生コンサルタント、社会医学系専門医・指導医、メンタルヘルス法務主任者
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