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おすすめ企業インタビュー|株式会社マクロミル

株式会社マクロミルは、2000年にオンライン・マーケティング・リサーチ会社としてサービスを開始。現在では、インターネットリサーチの枠組みを超え、あらゆる消費者データをもとに企業のマーケティングを支援しています。掲げているのは「社員自らの可能性に挑戦できる環境を。」という理念です。「成長するために挑戦したい」「自分の強みを活かしてチームや社会に貢献したい」そのような想いを持つ人で あれば、障がいの有無に関わらず共にチャレンジしたいという精神を持つ同社。今回は、人事本部長のMさん、障がい者雇用で入社し総務ユニットで活躍されているOさん、そしてOさんの上司であるNさんの3名にお話を伺いました。

人事本部長 M様

障がい者雇用の背景を教えてください。                                                                          当社が障がい者雇用に取り組み始めたのは、会社設立から10年が経過した2010年頃のことです。当時、1,000人規模の会社でありながら、障がい者雇用は全く進んでいませんでした。それまでは、クライアントファーストで効率性を最重視していたのですが、多様な人たちが働きやすい組織であることの重要性も認識し、障がい者雇用をスタートすることにしました。

障がい者雇用を推進するには、スキルを持った人に参画していただくことが重要だと考え、就労支援の経験がある方をお迎えしました。その方がジョブコーチとして、当社の障がい者雇用の基盤を築いてくれました。

障がい者雇用の理念はどのようなことでしょうか?                                                                     当社では障がい者雇用と一般雇用を区別して考えていません。共通する理念は、「社員自らの可能性に挑戦できる環境を。」です。自分の仕事を通じて、会社の仲間やその先の社会とつながり、貢献している実感を持つことは、働くうえで誰にとっても大事だと考えています。

障がいについては、「スペクトラム」という考え方を大切にしています。スペクトラムとは、「連続体」や「地続き」という意味です。たとえば何らかの特性があったとして、必ずしも健常な方が0、障がいのある方が1というように明確に分けられるケースばかりではないはずです。0から1までのグラデーションのなかで、0に近い方もいれば、1に近い方もいる、というふうに捉えています。

このようなことから、障がい者雇用と一般雇用の理念を区別する必要はないと考えています。

実際に障がい者雇用で入社された方はどのような働き方をされ、どういったサポートを受けていらっしゃるのでしょうか?                                                            当社では、まずご本人にどんな仕事がしたいかという希望や、お持ちのスキルについてお話をお聞きします。そして、社内のどの部署のどの業務にマッチするかを検討して配属し、それぞれの部署でご活躍いただくというのが通常の流れです。

現在、当社には私自身を含め、2名のジョブコーチが在籍しています。まずは、ジョブコーチによる「定期ビジット」と呼ばれる面談で、仕事や体調などについてお話を聞き、その内容をカルテに記録します。カルテをベースに行動や認知、感情など、多角的な視点からそれぞれの状況を確認し、把握するようにしています。

本人側や、受け入れ部署から「少し気になることがある」というような話が出たときは、私達人事部が迅速な対処をして、状況を変える必要があります。場合によっては、主治医の先生の意見も伺いながら、徹底的に伴走します。

当社の産業医は、内科医のみでしたが、障がい者雇用のなかで精神障がいの方が4割を占めるようになったため、新たに精神科の先生にも産業医として加わっていただきました。私達人事部側も産業医の先生からアドバイスを受けながら皆さんのサポートに取り組んでいます。

障がい者の従業員の方を受け入れる職場はどのような空気感なのでしょうか?                                                           障がいのある方を温かく迎える雰囲気がそれぞれの部署にあると感じています。これについて私は、当社の風通しの良い企業文化が大きく影響しているのではと考えているのです。また、当社には、「これをやろう!」と決めた目標に対し、達成するためにどうすれば良いかを考え、さらにまわりの方が気持ちよく働けるような言動を心がけることのできる人材が集まっています。これらがベースにあってこその現在の職場の空気感なのではないでしょうか。

とはいえ、そういった良好な職場の雰囲気があるうえで、障がい理解も大切なポイントです。そのため、障がいのある方を受け入れる部署のメンバーには、ハローワークが主催する講習を受けてもらうこともあります。

これまでの障がい者雇用の取り組みのなかで、印象深いエピソードがあれば教えてください。                                                          当社は、マーケティングリサーチを主な事業としているため、「データ集計業務」を行う部門があります。消費者から収集したアンケートデータを整理し、それを視覚的に分かりやすい形にまとめる部門です。

そうした集計業務のご経験がある方が、当社の障がい者雇用に応募してくださったことがありました。「データ集計業務を希望します」とのことだったのですが、最初の配属先は人事部でした。ご本人の希望とは少し違ったかもしれません。ただ、人事部にも従業員の満足度を調査するESサーベイなど、たくさんのデータがあります。その集計やコーディングといった業務を担当していただいたところ、ご本人はとてもいきいきと業務に取り組まれ、「貢献できることが嬉しい」と話してくれました。

それまで、障がい者雇用の皆さんが自身の業務を振り返って記入する「成長実感シート」というものがありましたが、その方の活躍を見て「成長貢献実感シート」へと名称を変更しました。それにより、従来の基本行動の確認に加え、自分が部署や会社へどのように貢献できているかの実感を重視するようになりました。

障がい者雇用において、今後のチャレンジングな取り組みとして考えられていることはありますか?                                               現在障がいのある方に活躍いただいているのは、後方部門がメインなので、今後は事業部門にも活躍できる場を広げていきたいと考えています。各部署から「このような特性の方であれば活躍できる」といった意見が挙がるような対話の場を、私達人事部が主体となって創り、マッチングの精度を高めていきたいです。

もうひとつは、現代のさまざまな技術発展を踏まえ、特にAIとそれぞれの障がい特性を掛け合わせることで、新しい仕事を生み出す可能性を模索したいと考えています。AIに限らず、新しい技術や手法を積極的に取り入れ、創造的な取り組みに挑戦していきたいです。

貴社の障がい者雇用の採用プロセスのなかでの工夫を教えてください。                                                             採用プロセスにおいても、障がい者雇用と一般雇用で大きな違いは設けていません。障がいの有無に関わらず、一人1時間以上かけて面談を行い、相互理解を深めることが弊社の採用における特徴です。

障がい者雇用独自の特徴を挙げるとすれば、障がいに関する困りごとについてしっかりと話を聞くことです。人事部側もその方が何に困っているのかを理解して、それが当社で働くうえでハードルになる場面があるかをしっかり考えるようにしています。

最後に求職者の方へのメッセージをお願いします。                                                                      当社は、世の中に出回っている多くの商品やサービスの調査に携わっています。そうした社会を裏側から支える役割を通じて、仲間とつながり、社会に貢献していることを実感できる会社です。そんな当社に少しでも関心を持っていただけたらとても嬉しく思います。

総務ユニット O様(2016年入社)

これまでのキャリアと現在のお仕事内容について教えてください。
高校生の時に、1ヶ月間の職場実習を行いました。当時は、まだPC操作ができなかったため、清掃業務と飲料や軽食が常備されているオフィスコンビニの商品補充の業務体験をしました。元々、体を動かすことが好きだったこともあり、自分に合っている仕事だと感じたことと、周りの方が丁寧に仕事を教えてくれたことにとても魅力を感じ、この環境で働きたいと強く思い、入社を決めました。

入社当時は、実習で行った業務からのスタートでしたが、およそ10年経った今では、多岐にわたる業務を担当しています。

たとえば、入社が決まった人たちを迎えるにあたり、何が必要かをそれぞれ整理したうえで、名刺やセキュリティーカード、ロッカーの準備を行っています。一口にセキュリティーカードと言っても、それぞれ入室可能なエリアなどが異なるため、細かい確認作業が付随します。

仕事をするうえでのやりがいはどのようなことでしょうか?                                                                 半年に一度設定する業務目標を達成できたときに、最もやりがいを感じます。

現在取り組んでいるのは、名刺リニューアル業務です。今回名刺管理システムをリニューアルすることになり、子会社分も一緒に作ることになったため、各社の担当とデザインや紙質等について話をして進めていました。ようやくデザイン・紙質が決まり、運用フェーズに入っていきますが、会社によって名刺の台紙が異なるため、印刷する際にミスなく時間や工数をかけない方法を検討しています。周りに相談をしながら運用フローの整備を行うことが今の目標です。

反対にお仕事をするうえでの課題はありますか?課題克服のための工夫があれば併せて教えてください。
業務における私の課題は「作業や確認の漏れ」でした。たとえば、やらなければいけない工程を飛ばしてしまったり、上司に確認するべきところを確認せずに進めてしまったりということが以前はたびたびありました。

これではいけないと考え、業務に取り掛かる前に、まずは頭の中で作業手順を整理し、それをアウトプットすることにしました。手順を確認しながら進めることで、漏れを防げるようになりました。自信がないときは、まわりの方に手順が問題ないかを確認してもらうようにしています。

私は、分からないことや心配なことがあればすぐにまわりの方に質問するように心がけています。自分から発信するのに抵抗がない性格であることも一因ですが、何よりも質問しやすい環境をつくってくれているまわりの方々に感謝しています。

これから挑戦してみたいことがあれば教えてください。
入社した当初は清掃業務からスタートしましたが、現在ではさまざまな業務を担当できるようになりました。当初は苦手だったPCも、業務を通じて習得し、現在ではワードやエクセルを使った業務もこなせるようになりました。そんなふうにこれからも仕事をするなかで成長をし続け、総務担当としてオフィス環境整備という、より重要かつ難易度の高い業務に携われるようになりたいと考えています。

総務ユニット N様

Oさんがこれまでにどのように成長してきたのか、お聞かせいただけますか?
素直でまっすぐ業務に向き合う姿勢が、Oさんの入社当初から変わらない長所です。彼のそんなところが、大きく成長できた要因のひとつだと思います。

分からないことはすぐにまわりに聞いたり、苦手だったPCにも挑戦したりして、スモールステップを積み重ねてできる仕事を増やしてきました。

今は後輩にレクチャーをしたり、業務のマニュアルを作ったりすることも多く、そんなときは自分が注意されたことや、失敗したことを踏まえて伝えてくれるので、本当に助かっています。

Oさんに今後期待することを教えてください。
これまでさまざまな業務を担当いただき、ジェネラリストとして成長してきました。培ってきたスキルを活かして、レクチャー担当や、まわりの方々を引っ張っていく役割として、これまで以上に力を発揮していただければなと思っています。

そして、そろそろ入社10年という節目です。Oさんは約10年間、当社での経験を通じて多くのスキルを身につけてきた反面、当社以外を知らないという背景もあります。だからこそ、さまざまな情報を集めて、新しい手法を取り入れたり、これまでやったことがない業務にチャレンジしたりすることを期待しています。

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